甲斐正明の『カラダは車中』シリーズは今じゃ撮影絶対無理…2000年代の鬼才が残したゲリラ撮影の狂気と「顔は新宿」のリアル

カラダは車中 現代社会と欲望の時事コラム

かつて大人向け業界において「企画系の鬼才」と称され、数々の異彩を放つ作品を世に送り出したAV監督・甲斐正明氏

私が彼の手がけた作品と最初に出会ったのは、出張先のビジネスホテルで気まぐれにカードを買ってチャンネルを合わせた「ビジホのペイチャンネル」でした

画面の中に映し出されていたのは、公衆の面前でショーウィンドウのマネキンに扮した女優さん

快感を表に出せない

下半身だけを薄いカーテンで隠し、背後から男優にイタズラされているにもかかわらず、本人は必死にマネキンのフリをして真顔を保ち続ける

――という狂気的な作品(『AV女優をショーウィンドウでマネキンにさせてSEXする 3』)でした。

「世の中にはこんな頭のおかしい企画を考える監督がいるのか」と強い衝撃を受け、すぐさま夜の検索で辿り着いたのが、彼の代表作であり伝説のシリーズ『顔は○○ カラダは車中』だったのです。

 

快感を必死に隠す「裏の顔」…ガラケー全盛期だからこそ成立したゲリラ撮影

甲斐正明監督作品の最大の魅力は、なんといっても「快感を絶対に表に出せない極限状態」でガン突きされる女性の苦悶の表情にあります

表向きは何食わぬ顔を決め込んでいるのに、服の下、あるいは車内という密室の中では激しいピストンに晒され、頭の中が快楽でドロドロに溶けかけている――

駆け巡る快感に必死で耐えるその表情の悩ましさは、男の加虐心と妄想をどこまでも掻き立ててくれます

しかし、この『カラダは車中』シリーズが現代において決定的に「再現不可能な名作」と言われる理由は、そのロケーションと撮影手法にあります

作品が撮影されたのは、2000年代初頭

iPhoneどころかスマートフォンすら存在せず、誰もがパカパカと開くガラケーを使っていた時代です。Twitter(現X)やInstagramのようなSNSも当然存在せず、「誰もがカメラを持ち歩き、数秒で世界中に動画を拡散できる環境」がまだ整っていませんでした

だからこそ、あそこまで人が行き交う都内の真っ只中で、車内に下半身を突っ込ませた状態で本物の一般人を巻き込む「ゲリラ的な公開セックス」を敢行することができたのです

[前回語った公衆の面前での野外露出作品]と同様、今の時代にこんな撮影を強行すれば、速攻でスマホのカメラで囲まれ、SNSに投稿されて炎上し、撮影陣もろとも警察に御用となるのは火を見るより明らかでしょう

自らSNSに動画をアップして逮捕される時代ですから、まさに2000年代という徒花のような時代が生んだ「奇跡の遺産」と言わざるを得ません

『顔は新宿』の惨状…通行人に二度見され、見物人に座り込まれて撮影中断

そんなノスタルジーに浸りつつ、マニアックな作品を取り扱う専門サイト「DUGA」で久しぶりにこのシリーズを物色し、サンプル動画をじっくり吟味した上で購入したのが『顔は新宿』でした

(昔ビジホかどこかで観たのは『顔は渋谷』の方だった気がしますが、記憶が曖昧だったため今回は新宿をチョイスしました)

で、実際に久しぶりに鑑賞してみた感想ですが……

「お前、全然我慢できてないだろ!!!」

ってのが感想

車外に出した顔だけは「何でもありません」という体裁を保たなければいけないはずなのですが、車内で下から猛烈に突き上げられているせいか、気持ちよさが隠しきれずに顔に出てしまっているのです

しかも上下に頭が激しくガックンガックン動いている

そんな異様な光景が昼間の新宿の路上で繰り広げられているのですから、通りかかった一般人たちが「なんだあいつ?」と言わんばかりに振り返りながら通り過ぎていきます。

出演女優さんは3人登場するのですが、通り過ぎたあとに違和感を察してわざわざ戻ってくる通行人があらわれたり、状況を察して周囲で見学を始める野次馬まで現れる始末

挙句の果てには、3人目の女優さんの撮影時、目の前にあるビルの入り口にどっかりと座り込んで見学を始める奴が現れてしまい、撮影が一時中断する事態にまで追い込まれていました

個人的には顔立ちや雰囲気が一番好みだった3人目の女優さんだけに、「もう少し我慢できなかったのか……!?」という呆れと、隠しきれない淫乱さが顔に滲み出ている背徳感で、胸の鼓動が高鳴りっぱなしでした

エンタメとしての最高峰と「オナニーのオカズ」としての限界

では、この作品でめちゃくちゃ抜けたかというと……正直なところ「オカズとしては微妙」と言わざるを得ません。

ゲリラ撮影という過酷な現場の性質上、カメラアングルや撮影距離が極端に制限されてしまうのです

引きの映像で正面から引きで撮ろうとすると、通りすがりの一般人がカメラと車の間に被ってしまって肝心の女優さんの顔が見えなくなります

かといって車内からのカメラアングルだと、車内に突っ込まれたお尻と男優の腰振りしか映らない

つまり、この作品は純粋なオナニーのオカズというよりも、「ハラハラドキュメンタリーエンターテインメント」としてハラハラしながら楽しむのが正しい鑑賞スタイルなのだと痛感しました

本当に「ガチの公衆の面前」というスリルと、抜きやすさ(バリエーション)を両立させるのであれば、「会社説明会の受付嬢をまかされたAV女優が…」の方が、個人的に抜ける作品としての完成度は高かったように感じます

後ろではバイブ挿入
ちなみに、この手の甲斐正明監督によるマニアックな企画モノで頻繁にお見かけした「立花里子」さんは、可愛らしくて本当に抜きやすかった

もし今の時代に人妻・熟女枠として奇跡の再デビューをしてくれたら、私は迷わず投げ銭レベルで作品を買い漁る自信があります

コンプライアンスと撮影リスクの波に飲み込まれ、こうした狂気的な企画モノが姿を消しつつある現代。

だからこそ、DUGAの深層に眠る2000年代の遺産を掘り起こし、二度と作れない狂気とスリルに思いを馳せる夜も、また悪くないものです

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